主役はだれ?
今日の訪問は洗髪の希望があり、洗髪器を持参しいつもよりやや早めにご自宅に到着。
インターフォンを鳴らすと直ぐに「はーい」という娘さんの声。玄関で迎えてくださいました。
居室にお邪魔すると、「私、何からすればいいのかしら?」と娘さんの想いが垣間見えます。
利用者は介護者である娘さんの母親、最期まで自分たちが介護したいと在宅療養を希望されました。
長い間洗髪が出来ていないことを気にされており、訪問看護で洗髪ができる事を知り心待ちにされていました。
娘さんのはやる気持ちを感じつつ、体調を確認させていただきます。
「ここ数日落ち着いています。」とのことでしたので、娘さんに臥床のままどのように洗髪を行うのか説明し、お湯やタオルなどを準備して頂きました。
始めようとした時に、「私が洗ってもいいかしら?」とベッドの上に正座されました。
勿論お願いして私はサブに徹します。娘さんの嬉しそうな表情と、ご本人のポカンとした表情が対照的で微笑ましい時間です。
洗髪のポイントとして、シャンプーの泡はタオルで拭き取っておくと、洗浄が楽で時短にもなることをお伝えすると驚かれ、和やかに洗髪は終了しました。
娘さんは、「いい勉強ができた。気になっていた洗髪をしてあげられて嬉しい。これなら自分でもやれそう!」とおっしゃいました。
ニコニコ顔の娘さんの様子を見て、私も嬉しくなりました。
挨拶を済ませ自宅を後にしました。移動中の車の中で、これだから在宅はやりがいがあるし楽しいと改めて思いました。
在宅療養の主役は本人・家族です。
訪問看護は脇役で大丈夫です。ケアだって家族が主役であってもいいはず。
大切な家族を自分の手でケアしたいという、家族の想いに答えることができ、また家族の愛情を感じることができた訪問でした。